船籍(新規登録,Call Sign, Trading Certificates)

新規登録

船舶ブローカーは新造船購入の際に、船舶を船籍に入れることを求められる場合がある。船舶の所有権は、Shareholdingsによって分けられる。Shareholdingsは多くの場合、一つの会社が所有するケースが多い。

  • 船籍登録するために必要なものはEvidence of title(所有権)
  • 所有権は新造船の場合はBuilder’s certificate、中古船の場合はBill of Sale(前の船主から発行される)により証明できる
  • Bill of Saleについて代表的な書式3つ: 
    British Bill of Sale Form: XS 79A (外国企業間の船舶取引に使用可)
    BIMCO Bill of Sale Form (All-purpose)
    British XS 79 of Sale Form (個々人の船舶取引に使用可)
  • 船主自身もExistence and Currency of the corporationを以下のステップによって証明しなければならない
    1、法人登記、法人税の支払い票など
    2、法人での船舶購入の決裁書の提出
    3、Power of Attorney(委任状)により本船購入代表者であることを証明する
  • Bill of Saleは、所有権が移転したことを証明するに十分だが、Clean Titleではない。Secondhand Sale Formに所有権の移転をはっきり示しておくことが重要。
  • 船籍登録は本船購入時に事前に済ませておかねばならない作業で、間違えが許されない。船主は、Authorityに対して登録予定日をお伝えしなければならない。
  • ほとんどのOpen Registryは、主要港や主要商業地にオフィスを構えており、手続きは、大使館や領事館で行うことが可能。
  • Registryに必要な情報
    1、船主名および共同所有者
    2, 本船の詳細:Type, Age, Builder, and Dimensionなど
    3, Gross Net Tonnage
    4, Mortgagee記録
    買主側のモーゲージは通常、Registryを済ますまではファンドをローンできない。但し、買主は、必要書類を集めればPre-registerをすることが出来る。売主から売主の船籍から本船を消去することが前提となる。
    5, 本船名、Official Number, Port and date of registry

Call Sign

船籍登録後は、本船は通信のための識別として、Call Signを割り振らなければならない。

Call Signは4桁ないし5桁のアルファベットと数字の組み合わせ。

Gから始まる船は英国船、Sから始まるのはギリシア船。

Trading Certificates

トレードに必要な書類としては以下のものがある。

  • International Loadline     5 years
  • Safety Construction           5 years
  • Safety Equipment               2 years
  • Loadline Endorsement     1 year
  • Safety Radiotelegraphy    1 year
  • Radio Station Licence       Various (somtimes continuous)

Ship Registration(船籍)

船籍

  • 船舶はどこの船籍か登録が必要。Registry Certificateは最も重要な書類で、船長が管理しなければならない
  • 自国の水域内で船舶を使用する場合、Registryは強制出ない場合がある(漁船、私用のボートなど)。Private Boatと呼ばれる。
  • 公海に出た船舶は、その船籍の’領土’と見做される。
  • 本船の名前は前と後ろから視認できるようにしておかなければならない
  • 船籍登録に資格などは特にない
  • 税制、最小航行人数、登録要件、法などは、船籍によって違う

船籍の発展

  • 伝統的な海運国は、最低賃金の上昇、最低航行人数の上昇、高税制などで従来の海運国の船籍は人気がなくなってきた
  • 数国が低税制、低価格/低負担などを売りに船籍国として台頭してきた
  • 1939年以降、パナマとアメリカとの間に海運に関する利益について免税する条約が出来た
  • パナマの中立性は、船籍に大きな利点となった。パナマとホンジュラスが第二次世界大戦中の代表的な船籍国となった
  • リベリアも有名で、アメリカ船主に人気な船籍
  • 船籍提供国をFlag of Convenience (便宜置籍国)もしくはOpen Registryと、しばしば呼ばれる

船籍の現在

  • パナマ、リベリア、ホンジュラスに加えて、近年では以下の国が便宜置籍国として台頭しつつある: Coromos, Costa Rica, Cyprus, Haiti, Lebanon, Singapore, Marshall Islands, Mongolia, Oman, San Marino, Sierra Leone, Somalia and Vanuatu

以下の観点から船籍は選ばれるようになっている

  • 税制 (利益に課税されない)、トン税など
  • 労働規制がない、給料が比較的自由に決定できる
  • 責任制限
  • 政治的な制限なし、自由貿易
  • 低法人税
  • 資金調達の容易さ、モーゲージに関する法律
  • 政治的安定
  • 安全かつシンプルな規制

問題点

安い便宜置籍は、以下の問題がある。

  • 便宜置籍国は、Sub-standard vesselの船主も引き付ける可能性がある
  • Open Registryのトン数調査を疑ってるPort Authorityがあり、そのPort Authority固有のトン数証明や高いPort Duesを支払わなければならない
  • ITF (International Transport Workers Federation)が非難している
  • PSC(Port State Control)に引っ掛かる恐れがある
  • IMOの条約を批准していない場合がある

National Flag

  • 自国船を保つために、イギリスやノルウェーでは独自のOpen Registryを持つ
  • イギリスでは、海外領土にOpen Registryを置くケースがある - Jersey, Guernsey, Alderney and Sark
  • マン島は最も有名で、BPなどが主に利用している
  • EUでも近年、European Union Registerなるものを作っているが、あまり船主を集められていない模様