Tonnage
- Deadweight (DWT)… 本船の積載可能数量、Stores、燃油、Fresh waterを足し合わせた総重量。本船の喫水がSummer markまで届くような重量の事を指す。本船のデッキから海水面までの距離を”Freeboard”といい。貨物の積み込みすぎた場合、本船の安定を損ない荒天時に危険を及ぼしかねない。各本船には最適なFreeboardというものが計算されており、それを測るためのマークをPlimsoll Markという。
- DWTはDWAT(Deadweight all told)とも略されることがある
- DWCC (Deadweight Cargo Capacity) 航海の時に、本船が積載できる貨物の数量
- Gross Tonnage (GT)…本船の容量(重さの単位ではないので注意)を示す単位。元々は100 Cubit Feetを指す単位であったが、1969年のInternational Convention of Tonnage Measurementで、立法メートルを基準に算出するようになった。現在では立法メートルからGTから換算されている。1GTは一般的に2.5㎡ – 3.0 ㎡ で本船の容量によって使う数字が異なる。客船事業でよく使用される。(保険料算出の基準?)
- Net Tonnage (NT)…本船の乗客室や貨物ホールドの容量、いわゆる船舶から利益が出る容量で港湾費用の算出に使用される。
- Light displacement or lightweight (LDT)… Ships and Sales Activityにおいて比較的重要な指標。本船そのものの重量(装備品、ボイラーなどを含み、バンカー、貨物、食料などの貯蔵物、水などを抜いたもの)であり、主に本船で使用されている鋼鉄の重量に等しい(単位: MTs) 船舶の解撤で売船する際に特に重要となる。
- Displacement…総排水量。本船が進水したときに、どの位の水を排水出来たかの総量。これが本船の重量となる。この指標は軍艦に使用されることが多い。
Displacement (総排水量)= Lightweight (LT) +Deadweight (DWT)
DWCCの求め方
船舶に貨物を積載すぎると船舶は沈んでしまう。つまり、船舶は喫水以上の貨物を積載することは出来ない。また、貨物の比重が高い場合に、船の容積を考慮する必要もある。ドラフトと容積どちらか低い方がその航海のDWCCとなる。
- ドラフトによる制限
DWCC = (DWT – TPC × (本船の喫水 – 港・水路の水深)) × 塩分濃度) – Constant (船の飲料水、装備、人員、燃料など。貨物以外に積んでいるものの重量)
なお、本船の喫水 – 港・水路の水深≧ 0と考えて頂きたい。水深が本船の喫水を上回るのであれば、DWT通り積めると考えて頂ければOK。
- TPC
TPC(Tonnage per centimetre)とは、文字通り船を1cm沈めるのに必要な貨物積載量を示す。例えば35TPCの船があった場合、船が10cm 沈めるのに必要なトン数は350 MTsということになる。 - 港、水路、運河のドラフトなど
日本の穀物のターミナルの水深はほぼ11.9mであり、パナマ運河の水深は39.5 Feetである。このように、港には水深があり、水深により入港できる港は限られてくる。また、使える船、積める重量も違うので、航路の経済性や採算性に大きく影響を与える。 - 塩分濃度(Salinity)
アルキメデスの法則を思い出していただきたいのだが、水と塩水なら塩水の方が浮きやすいと学校で習ったと思う。船も同様で港湾・航路の塩分濃度が高ければ高いほど浮力が生ずるが、港が真水であったり塩分濃度が低ければ当然ながら積載量も限られる。
海水の基準濃度はSummer Saltで1.025 で、真水は1.000, 黒海や愛知県などの川の多いところはBlackish Water と呼ばれる1.012を使用するケースもある。
例えば、水深が11.8mの川の上流にある港に船をつけるとする。Supramax級の船舶のTPCが57.5、Deadweight Tonneが58,000でドラフトを12.8m、Constantを2,000 MTsとした場合、DWCCは以下の通りに計算できる
(58,000 – 57.5*(12.8 – 11.8) * 100(メートルからセンチに換算))* 1.000/1.025 – 2,000 (MTs) = 48,975 MTs
よって48,975 MTsとなる。
- 船の容積に関する制限 (ドライバルク船)
(Grain capacity or Bale Capacity / SF) – Constant = DWCC (容積)
石炭を30,000 MTs積載するのと、大豆や大麦などの農産物を30,000 MTsを積載するのはどちらが容量を多く取るだろうか?大豆が船の容積をより多くとるのは、想像に難くない。DWCCはドラフトの計算はもちろんのこと、貨物容積的にも大丈夫がどうかをチェックする必要がある。この場合使用される単位としては、cbm (キュービックメートル)やcbf(キュービックフィート)という単位が使われる。また貨物に対してはStowage Factorと呼ばれる比重があり、トン当たりのcbm かcbfが使用される。これにより容積的に何トン積めるかが分かる。仮に4,500,000 CBFの容量で貨物の比重がトン当たり45 cbfとし、Constantを2,000 MTsとした場合、この船が容積的に積めるのは、98,000 MT積めることが出来ると分かる。稀にドラフトの条件はクリアしても、貨物の比重が高すぎて容積的にDWCCが下がるというケースもあるので十分注意する。