船主(船主業)とは?
船主とは、読んで字の如く船の持ち主の事であり、船の直接的な持ち主の事である。船のオーナーは、個人(家族経営)である場合もあるし、金融会社・ファンドが所有している場合もあるし、商社が所有している場合もある。意外かもしれないが日本の外航船舶の瀬戸内海を中心とした個人船主が日本の外航船舶の4割*程度を所有しており、残りは東京の大手企業(大手海運会社、リース会社、船舶ファンドなど)が所有している。
船主業は主に3つの業務に分解できると考えられる。新造船を発注したり、所有した船舶を船舶運航会社に貸し出したりする営業関係の業務、船舶管理業務に主に分けられる。
船舶管理業と船員配乗だけを行う会社もあるのだが、基本的に船主が行うものだと考えてくれてよい。
営業関連職(船主業、船舶貸渡業)
この業種は、新造船投資、中古船売買、および用船が中心となり、その取扱い金額も大きいものになる。数十億円くらいの取引が中心となり、仕事も4-5年かけるような長期契約が多いのが特徴である。この職種を経験することは、小さい企業(4-5隻所有)であれば、経営陣にでもならない限り難しい。しかしながら、船を20-30隻所有している比較的大きな船主であれば比較的チャンスはあると思われる。
船員配乗
船主をやっている会社に入ると、大抵は船員部という部署がありそこで、船舶に必要な船員をフィリピンやインドから雇用したり、船員の交代を行ったり、事故に見舞われた船員の事故処理を行う。給料の支払いなどについては、船員配乗会社を通じて行われる。
船舶管理業
大きく工務と海務の二つに分かれている、工務はより技術的なところのサポートを行い、海務はより実務的かつ法律的なところを陸上から船長にサポートしている。船舶管理系の職には、海務監督と呼ばれる船長や船員職を経験した者がおり、彼らが船主の代表として本船に乗り込んで業務の監視を行う場合がある。
船舶管理のサポート内容としては、艤装品や必要備品の手配、安全規則の遵守、事故対応などの仕事が主である。
船主業の給料およびキャリアパスなど
だいたい、運航補助系の仕事だと400-600万/年くらいからスタートで、管理職に行くと800-1,000万に行くイメージ。海務監督関係になると、人が不足しているのでもっともらえる可能性が高い。船員配乗の経験だけだと、同業者までしか恐らく転職するのは厳しいが、船舶管理で運航まで経験していれば、運航関係の仕事でブローカーや他船主などの可能性がある。上手くいくと用船や売船などの営業関連職につける可能性も高い。語学力は、どの職種も必須ではあるが、相応の語学力さえあれば海外就職や転職などの道も開けてくる。