貨物種類および荷役

貨物種類

  • General Cargo…パッケージがついているような貨物。工業製品か半工業製品が多い
  • Containerized Cargo…ISO準拠にしたコンテナに入れる貨物
  • Ro-RO Cargo… General cargo及び自動車、フォークリフトなど
  • Bulk Cargo… ばら積み貨物 、Liguid or Loose cargo。石油、鉄鉱石、石炭、穀物など

荷役装置

  • Lift-on/lift-off…Drycargoの荷役装置のことを指す。岸壁のクレーン、ガントリークレーンなど。
  • Roll-on/roll-off…本船のドア、ランプから荷役を行う
  • Pump-on/pump-off…液状の貨物はポンプから荷役を行う。ほとんどは本船の荷役装置ではなく、陸側の装置で行うことが多い
  • Float on/Float off…石油リグなどのHeavy cargoの荷役で使われる
  • Cranes…本船のGearの事を指す。Ultramax級以下のバルカーについていることが多い。Grab-fitted でSWL (Safety Working Load)が最低40トンある
  • Specialized…最新のCapesize bulkerなどにはベルトコンベアーなど特殊な荷役装置が本船に搭載されていることもある

Capacity

本船の荷役可能容量に関する単位。

  • Grain Capacity… 本船のホールド内の容量の単位。穀物や石炭などを積む際に使用される容量。
  • Bale Capacity… 本船のホールド内の容量の単位。Packageを伴う貨物など、例えば、Bagged Riceなどの貨物は、石炭や鉱石などの貨物と比較すると、本船のフレームとの間に隙間がなどが荷役時にできてしまう。そういう物を考慮した場合の本船の荷役可能容量。
  • TEU…コンテナ船に使用される荷役可能容量。20ft containerが何個積めるかという容量
  • Lane-Meters (LM)…RORO船および自動車船で使用される単位。貨物自動車が積めるレーンの長さが基準
  • Freeboard…本船の喫水からデッキまでの長さ。
  • Loadline…通称Plimsoll Markと呼ばれる。本船が積載可能な限界の喫水を示している。

本船の容量に関する単位。

  • Light Draught…本船そのものの重さ。
  • Suez and Panama Canal tonnage… スエズおよびパナマ運河を通過する際に適用されるトン数。
  • Moulded depth…本船のキールトップからデッキまでの高さ
  • Length overall (LOA)…本船の長さ。LOA BBという単位があるが、その場合はBalbous bow を含む
  • Length between perpendiculars (LBP)… Summer Line上の本船のフォアのRubber post (stock)からアフト Rubber post (stock) までの長さ
  • Extreme breadth… 本船の最大幅
  • Moulded breadth…本船の中間の幅
  • Scantlings…本船の基礎となるフレーム、ビーム、シェルプレートなど
  • Air draught…喫水から本船のマストまでの長さ。(高さ)

その他

  • Ice Class…本船が氷上を航行できる能力を示すもの。Class 1,2,3があり、Class 1Aが最高のランクとなっている。

The Ship (Tonnage)

Tonnage

  • Deadweight (DWT)… 本船の積載可能数量、Stores、燃油、Fresh waterを足し合わせた総重量。本船の喫水がSummer markまで届くような重量の事を指す。本船のデッキから海水面までの距離を”Freeboard”といい。貨物の積み込みすぎた場合、本船の安定を損ない荒天時に危険を及ぼしかねない。各本船には最適なFreeboardというものが計算されており、それを測るためのマークをPlimsoll Markという。
    • DWTはDWAT(Deadweight all told)とも略されることがある
    • DWCC (Deadweight Cargo Capacity) 航海の時に、本船が積載できる貨物の数量
  • Gross Tonnage (GT)…本船の容量(重さの単位ではないので注意)を示す単位。元々は100 Cubit Feetを指す単位であったが、1969年のInternational Convention of Tonnage Measurementで、立法メートルを基準に算出するようになった。現在では立法メートルからGTから換算されている。1GTは一般的に2.5㎡ – 3.0 ㎡ で本船の容量によって使う数字が異なる。客船事業でよく使用される。(保険料算出の基準?)
  • Net Tonnage (NT)…本船の乗客室や貨物ホールドの容量、いわゆる船舶から利益が出る容量で港湾費用の算出に使用される。
  • Light displacement or lightweight (LDT)… Ships and Sales Activityにおいて比較的重要な指標。本船そのものの重量(装備品、ボイラーなどを含み、バンカー、貨物、食料などの貯蔵物、水などを抜いたもの)であり、主に本船で使用されている鋼鉄の重量に等しい(単位: MTs) 船舶の解撤で売船する際に特に重要となる。
  • Displacement…総排水量。本船が進水したときに、どの位の水を排水出来たかの総量。これが本船の重量となる。この指標は軍艦に使用されることが多い。

Displacement (総排水量)= Lightweight (LT) +Deadweight (DWT)

DWCCの求め方

船舶に貨物を積載すぎると船舶は沈んでしまう。つまり、船舶は喫水以上の貨物を積載することは出来ない。また、貨物の比重が高い場合に、船の容積を考慮する必要もある。ドラフトと容積どちらか低い方がその航海のDWCCとなる。

  • ドラフトによる制限
    DWCC = (DWT –  TPC × (本船の喫水 – 港・水路の水深)) × 塩分濃度) – Constant (船の飲料水、装備、人員、燃料など。貨物以外に積んでいるものの重量)
    なお、本船の喫水 – 港・水路の水深≧ 0と考えて頂きたい。水深が本船の喫水を上回るのであれば、DWT通り積めると考えて頂ければOK。
  1. TPC
    TPC(Tonnage per centimetre)とは、文字通り船を1cm沈めるのに必要な貨物積載量を示す。例えば35TPCの船があった場合、船が10cm 沈めるのに必要なトン数は350 MTsということになる。
  2. 港、水路、運河のドラフトなど
    日本の穀物のターミナルの水深はほぼ11.9mであり、パナマ運河の水深は39.5 Feetである。このように、港には水深があり、水深により入港できる港は限られてくる。また、使える船、積める重量も違うので、航路の経済性や採算性に大きく影響を与える。
  3. 塩分濃度(Salinity)
    アルキメデスの法則を思い出していただきたいのだが、水と塩水なら塩水の方が浮きやすいと学校で習ったと思う。船も同様で港湾・航路の塩分濃度が高ければ高いほど浮力が生ずるが、港が真水であったり塩分濃度が低ければ当然ながら積載量も限られる。

    海水の基準濃度はSummer Saltで1.025 で、真水は1.000, 黒海や愛知県などの川の多いところはBlackish Water と呼ばれる1.012を使用するケースもある。

    例えば、水深が11.8mの川の上流にある港に船をつけるとする。Supramax級の船舶のTPCが57.5、Deadweight Tonneが58,000でドラフトを12.8m、Constantを2,000 MTsとした場合、DWCCは以下の通りに計算できる

    (58,000 – 57.5*(12.8 – 11.8) * 100(メートルからセンチに換算))* 1.000/1.025 – 2,000 (MTs) =  48,975 MTs 

    よって48,975 MTsとなる。
  • 船の容積に関する制限 (ドライバルク船)
    (Grain capacity or Bale Capacity / SF) – Constant = DWCC (容積) 
    石炭を30,000 MTs積載するのと、大豆や大麦などの農産物を30,000 MTsを積載するのはどちらが容量を多く取るだろうか?大豆が船の容積をより多くとるのは、想像に難くない。DWCCはドラフトの計算はもちろんのこと、貨物容積的にも大丈夫がどうかをチェックする必要がある。この場合使用される単位としては、cbm (キュービックメートル)やcbf(キュービックフィート)という単位が使われる。また貨物に対してはStowage Factorと呼ばれる比重があり、トン当たりのcbm かcbfが使用される。これにより容積的に何トン積めるかが分かる。仮に4,500,000 CBFの容量で貨物の比重がトン当たり45 cbfとし、Constantを2,000 MTsとした場合、この船が容積的に積めるのは、98,000  MT積めることが出来ると分かる。稀にドラフトの条件はクリアしても、貨物の比重が高すぎて容積的にDWCCが下がるというケースもあるので十分注意する。

Common Law

Common Law

海運の世界では、英国法が適用されることが多く、英国法はCommon Lawと呼ばれる法体系に属している。特徴としては以下の特徴があるらしい。

  • 原則的に過去の高等裁判所の判例に基づき判決を下す
  • 判決を出す際の判決は、どのようにその判決が出来たか長く記載する。将来的に判例が将来的に前例となるため、その点も意識される
  • Ratio decidendi… 判決に至った重要な根拠、法的拘束力があるらしい
  • Obiter dictum …判決に至った重要な意見(参考程度)のもので、Ratio decidendiでは将来的な判例に影響するらしいが、Obiter dictumは影響しいえない。
  • 英国の裁判所では、判決を出す際、両者の弁護士から答弁を聞き、判決を出すようだ。訴訟人は、Balance of probabilitiesの元、正当なものだと証明する義務がある。Balance of probabilitiesとは、訴えが本当である度合い?

Statute of Law/Legislation

英国法には欠かせない要素は2つある。:Statute Law/LegislationとEquity
。Statute Lawは議会を通過した法律の事を指す。現行の法律を詳細化を行ったり、改善を施すための法律。Statute Lawには国際法なども含まれる、例えば: Hague-Visby Rules 1968 via the Carriage of Goods by Sea Act 1971.

  • 裁判所は議会が法律を通過した際の背景を考慮して判決を出さなければならない
  • あいまいな点があれば、法律をどう解釈するべきか書かれた補足や契約書などがあることが多い
  • Ejusdem generis...英国法の前提、特定の用語・物が同種のものを含蓄しているという前提。例えば、`Charterers shall pay for all port charges, pilotages, towages, agencies and all other usual charges.` という契約書の文言があったとして、本船の係留料(dock due)を含むべきを考えるとき、同種のものと考えられるため傭船者がカバーすべきと考えられる

Equity

英国法で最も難しい概念らしい。日本語では平衡とも呼ばれる。端的に言うと、コモンロー上の極端に厳しい部分や融通の利かない部分を緩和するために”Equity”という概念があるらしい。事件の性質によって、過去の前例やコモンローに基づく原則を維持するのが不適切だと考えられる場合にEquityという考え方が適用されるらしい。特例という考え方のほうがあってるかもしれない。

ブログ開始

ブログを始めることにしました。
テーマとしては海運でも扱おうかなと。とは言っても資格試験の忘備録として頑張りたいと思います。

私自身は某船会社で働いていて、Drycargo (Chartering)が専門なのですが、以下の科目用の勉強の記録が出来ればと思います。

Economics of Sea Transport and International Trade
Legal Principles in Shipping Business
Ships Sales and Purchase
Shipping Finance